みなさん、doudou(ドゥドゥ)という言葉をご存知ですか?
doudouとは、フランスの子供たちが生まれた時からみんな持っている、
大事なお友達のようなぬいぐるみのこと。
もちろん、クマだけでなく、うさぎやねずみなど、大きさも種類もみんな違います。
フランスの子供たちにはなくてはならない大切なもの。
今回は、そんなdoudouのことをちょっとお話ししたいと思います。
生まれた時から一緒
フランスでは、生まれてすぐに子供にdoudouをプレゼントします。
親戚や友達からたくさんのぬいぐるみをプレゼントされることも。
それだけ、当たり前の文化として定着しているんですね。
少し大きくなってから、自分のお気に入りを決めたり、親と選びに行く子もいるそう。
中にはお母さんのTシャツの切れ端だったり、タオルだったりする子もいるようですが、
多くは動物のぬいぐるみのようです。
早くから自立心を養う国柄
日本のように川の字になって眠るような、いわゆる[添い寝文化]が無く、生まれた時から自分の部屋とベッドを与えられて一人寝が当たり前、のフランスでは、眠りに入るときに匂いを嗅いだり、抱きしめたり、寄り添ったりする、お母さんのように安心できるdoudouが必需品なのです。
共働き家庭がとても多いフランスでは、早い時期から子供の自立が必要ということもあり、子供の心に寄り添ってくれるdoudouは、親にとっても、頼れる大切な存在になっているのかもしれませんね。
ボロボロになっても大切な友達
doudouは、小さなあいだは、本当にどこに行くにも一緒。
お家の中ではもちろん、幼稚園や買い物、旅行など、当たり前のようにどこにでもお供として連れて行きます。
フランスの幼稚園にはdoudou専用の箱があり、帰るまでぬいぐるみたちは待機しているそうです。
どの子のdoudouがどれか、という写真まで壁にどーんと貼ってある幼稚園もあるらしく、子供にとっていかに大切なものであるかがわかりますね。
そして驚いたのが、doudouは洗わないというお宅も多いとのこと。
洗ってしまうと、これまでの大切な匂いや、愛着あるシミや汚れが落ちてしまい、
もうこれは別モノだ!といって泣く子もいるくらいだそうで。
綺麗好きな現代の日本では、なかなか定着しづらい風習かもしれませんが、それほどまでにひとつのものを大切にする、という文化は、素敵だなぁと思います。
(ちなみに、無くしてしまって子供がパニックにならないよう、同じdoudouをいくつも用意しているご家庭もあるそうです。笑)
いつ卒業するのか
これは「いつ」というのは明確には決められておらず、その子自身が「もういらないかな」と自分から手を離すまで、親は何も言わないのだそう。
5〜6歳で卒業する子もいれば、10歳を超えても持ち歩く子も。
doudouは、精神的な過渡期を迎えるまで、成長に寄り添う大切な存在なのですね。
小学生なんだから、もうお兄ちゃんなんだから、と引き離されて悲しい思いをするよりも、自分自身で卒業していく、というのも、心を育てる上では大切なことなのかもしれません。
いかがでしたか?
ぬいぐるみという枠を超えて、もはや友達や家族、体の一部のようになっていくdoudouという存在。
プティルウのくまたちも、誰かにとってdoudouのような心の拠り所となる、長く長く、大切にされる存在であることを願って。